UV計の測定範囲とセル長について

有機汚濁測定用の紫外線吸光度計などでは、測定範囲の有効精度と試料の変動範囲を基にセル長を選定する必要があります。

一般的な仕様として10mm長のセル間隔を使用した場合、0~2Abs./cmの測定範囲が表示されていますが、吸光度の定義が透過光量の逆数の対数である事から判るように、光量の変化による検出器の変化出力の量から考え、光源の基本光量の1%の変化がゼロ点付近では吸光度として0.004Abs./cmですが、フルスケール付近では0.3Abs./cmと大きく変化することになります。

吸光度の相対誤差については古く、Twyman Lothianの法則として光の透過%が36.8%(Abs.=0.4343)のときに誤差が最小になる事が知られており、測定精度を2%程度に入れようとすれば透過%が5~90%ぐらいの範囲で測定することになります。

このようなことから、吸光度計の測定範囲としては、試料水の吸光度変化範囲が、0.05~1.3Abs./cmの場合、10mmセルを、0.025~0.65Abs./cmの場合、20mmセルを、0.01~0.26Abs./cmの場合、50mmセルを、0.005~0.13Abs./cmの場合、100mmセルを、使うことが好ましいと考えられます。

勿論より吸光度の大きい汚れた水を測定する場合には、より短い光路長のセルを使うことが好ましいことになります。
最近は、電子回路による演算機能で、同じ光路長でもより広い範囲の表示が可能ですが計測器という性格上、原理的な精度を無視した仕様設定は好ましくありません。

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