吸光度は、測定する成分の分子吸光係数と濃度、セル長によって決まることはLambert Beerの法則によって知られています。
吸光度=分子吸光係数×セル長×濃度
濃度=吸光度/分子吸光係数×セル長
従って、同一成分をセル長の異なる計測器で測定した場合は、セル長の違いにより表示される吸光度の数値が異なる事になります。そこで、有機汚濁の測定現場などでは、汚濁度の大きい場合には薄いセル、綺麗な水では必要によって長いセルを用いて測定しています。
その為、セル長を無視して測定範囲を吸光度で表すことは出来ません。従って、測定された吸光度を使用セル長(mm)の10mmセルに対する比で補正し、10mmセル相当に換算した10mmセル換算吸光度で表すことにより、数値比較が出来るようになります。
JIS K 0807によると、10mmセル換算吸光度:セル長Lmmの計測器で得られた見かけの吸光度をAsとしたとき、As×10/Lで表される値と規定されています。
紫外線吸光度計の一般仕様では、外部出力レンジとして基準レンジである吸光度1を中心に、2倍の吸光度2と、2分の1の吸光度0.5との切換えが出来るようになっており、操作パネル面に0.5, 1, 2の出力切換えが有ります。
この数値は使用しているセルでの絶対吸光度であり、10mmセルの場合には Abs.0.5/FS、1.0/FS、2.0/FSの外部出力が4~20mAの電流出力または、0~1Vの電圧出力として送出されます。
ここで、100mmセルと20mmセルの計測器では、
レンジ 100mmセル 20mmセル
0.5 0~0.050Abs./10mm 0~0.25Abs./10mm
1 0~0.100Abs./10mm 0~0.50Abs./10mm
2 0~0.200Abs./10mm 0~1.00Abs./10mm
のように10mm換算吸光度として外部伝送出力が出ていることになります。
表示ディスプレーでの最小表示値は0.001Abs./10mmとなっています。
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